症例　下肢の痛み・痺れ

右殿部から大腿後面、足にかけての痛みは、約3週間前から始まり徐々に悪化していました。この症状が始まる２ヶ月前にギックリ腰を患っていてそれが原因なのではないかと話していました。この痛みは仕事などで長時間座っていると右臀部の下部が痛くなり、徐々に大腿後面にまで痛みや痺れが広がり、それでも我慢して座っているとふくらはぎ、ひどい時は足の薬指と小指まで痺れることもありました。そのため仕事中も定期的に立ち上がったり歩いたりしなければなりませんでした。この症状の発症後整形外科を受診しCT検査を行い、ヘルニアの疑いがあると診断されて痛み止めの薬と湿布を処方されて治療を行っていましたが、症状が良くならなかったために来院されました。

検査では、股関節と腰の可動域の検査で体を前屈すると右臀部から大腿後面、ふくらはぎにかけて痛みと痺れが増悪し、坐骨神経痛を確認する幾つかの検査でも陽性が出ました。触診では右臀部後面の筋肉に過緊張があり、数カ所の圧痛点が認められました。この結果、何らかの原因で右臀部の筋肉が過緊張を引き起こしてこの近くを通る坐骨神経痛を刺激して今回の症状を引き起こしたのではないかと考えられます。

施術は右臀部の過緊張と密接に関係している骨盤、股関節と膝関節の機能異常を取り除き、骨盤と臀部周辺の筋肉の緩和操作を行いました。施術後、体の前屈をした時に感じていた臀部の痛みはほとんど感じないくらいまで改善されました。合計3回の施術で長時間座るときに感じていた痺れと痛みはなくなりました。

患者さんの右臀部後面から足にかけての痺れと痛みは、骨盤後面の筋肉の過緊張によって坐骨神経が刺激されて引き起こされていました。この筋肉の過緊張を引き起こした原因ははっきり分かりませんが、長時間座って仕事をする、足を組む、ハイヒールを履くことが多いと話していたのでこれらが原因となって症状を引き起こした可能性が高いです。普段何気なく繰り返し行っている動作も、長期間繰り返すことによって、負担が積み重なり症状を引き起こすことは少なくありません。定期的にストレッチや軽いエクササイズなどを行うことが再発防止には必要だと思います。

４ヶ月前から右臀部中央付近から大腿部後面、ふくらはぎににかけて痛みを感じるようになってきました。きっかけは覚えていないが、神経に触れるような激しい痛みで今では早歩きをすると激痛を感じるということでした。整形外科ではレントゲンとMRI検査をしましたが特に異常はなく、痛み止めの薬と理学療法を受けましたが効果的な治療ではなかったため、口コミで評判だったスポーツマッサージの治療院に週２回通っていました。そこでの治療と治療後は激痛のため痛み止めを飲まなければ耐えられなかったために、次に鍼灸院に変え、こちらでもなかなか良くならなかったために他の患者さんに紹介され遠方でしたが当院に来院されました。

既往歴に去年乗馬で落馬をして腰椎のL1とL4を圧迫骨折をしたということでした。腰部の前屈で右臀部と右ふくらはぎ後面に痛みが再現されました。SLRなどいくつかの整形学検査で同様の陽性が認められましたが、腰部の可動域は正常範囲内で、特に検査中は腰痛は感じないということでした。筋力検査では明らかな低下は認められずすべて正常範囲内でした。触診では右臀部の何カ所かに圧痛点と深部の筋肉の過緊張が認められました。これらの結果を総合すると右臀部の筋肉が何らかの原因で過緊張を引き起こし、大腿後面、ふくらはぎの範囲に関連痛を引き起こしたのではないかと考えられました。痛みや痺れが直線でつながっておらず、筋力も弱くなっていないので十分に回復すると考えられました。

治療はここまで強い刺激の治療を数多く受けられていたために、年齢的にも全く刺激のない治療の方が効果的ではないかと考え、カイロプラクティック治療ではなくカラー治療のみで治療を行いました。探索棒は深部痛、神経根性疼痛、筋拘縮、潜在性ウィルス2、血小板血栓症が反応し、患部とツボに貼付していきました。脳の領域にも何種類かのカラーが反応したのでツボを取穴して貼付していきました。１回目の治療で痛みは半減し、５回目の治療でほぼ痛みはなくなり、たまに長時間座っていると感じくらいまで回復しました。良くなっていく度に、痛みを訴える場所が変化していき、８回目にすべて終了して走ったり乗馬をしたりできるまで回復しました。

殿部から脚にかけての痛みは多いケースで予後は良いのですが、適切な評価と治療を行わないと長引いてしまうことも多いです。今回の患者さんは年齢的にも後期高齢となっており、強いマッサージのような治療が合わなかったのかもしれません。治療方法の合う合わないは患者さんひとりひとり違うので一概には言えませんが、この患者さんのようにカラー治療でかなりの効果が得られることが多いです。カラー治療は何万種類の探索棒から患者さんに最適の組み合わせを選択するので、オーダーメイド治療と言えます。副作用も全く無いので高齢の方でも安心して受けることができるので、なかなか治らない痛みや症状がある方は一度相談ください。